【コラム】『食べる和ばら』のレシピとちょっとしたエッセイの連載がはじまります #0 ごあいさつ

【コラム】『食べる和ばら』のレシピとちょっとしたエッセイの連載がはじまります #0 ごあいさつ

 

Pensées(パンセ)という料理会を主宰している、中村友香さんに、食べられるWABARAを使ったレシピとちょっとしたエッセイを書いていただくことになりました。

第1回目の公開は、9/6 WABARAの花びらシロップを使ったパンケーキを予定しています。公開に先駆け、中村友香さんからのごあいさつをお届けいたします。


これからどうぞ、よろしくお願いいたします。


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ひと口頬張れば

豊かな自然に囲まれた農園の景色と優しいWABARAの香りが広がるお菓子たち


#0 ごあいさつ

 

皆さま、はじめまして。

京都のアトリエで小さな料理会を開いている中村友香と申します。

わたしは幼い頃から料理が好きで...という訳ではなく、知らない世界を旅する楽しみを持ちながら生きて行くためには一体どうしたらいいのだろうか...と長いこと模索するなかで、いつの間にか料理がその手段やコミュニケーションとなり、その恩恵にあずかり今に至ります。

幼い頃は旅といってもそう簡単にはできるものではないので、まずは心惹かれるままに本を手に取り、物語や歴史の世界へのめり込みました。そういった経験は心を耕し、明日が来るのを楽しみにする元気となり、実際に自分の足で確かめに旅へ出ようとする糧となったように思います。ほかの人がどのようにして生きてきたのか、生きているのか、そのようなことを訪ねることは(今はそれを旅と名付けることができます)家族、友人、先生、先輩を訪ねて周る小さな時間から、偶然あるレシピに出逢い、一体それはどのような味なのか、そこに暮らす人々はどのように生活しているのか想像を膨らませ、風にいざなわれるようにして海外へ出発するという壮大な旅にもなりました。


 


こうした自分を振り返ってみると、旅のそばにはいつも料理の景色があります。料理の話題は、目の前に実物がなくとも語るその言葉からもおいしそうな匂いが漂い惹きつけてくれるものですし、またおいしそうな料理がテーブルに置かれるならそこには自ずと人が集い、会話に花が咲きます。これまで料理という人の営みがそばにあることが進んでみたい道を灯してくれたように思います。

 

訪ねた先であたたかく迎えられもてなしてもらう料理、おしゃれをして友人と出掛けるレストランの鮮やかな料理、遠慮もなく文句も言い合う家族だんらんのにぎやかな料理、緊張しながらもはりきり自分が客人をもてなす料理、あるいは疲れきった自分自身が明日も頑張って生きるための簡単で簡潔な料理など、日々を暮らして行く私たちのさまざまな場面に寄り添う料理とその周りにある光景は、雨の日も風の日も、晴れの日も毎日を生きて行かねばならない私たちの旅にはかけがえのない時間です。

 

この度は、Rose Farm KEIJI さんの『食べる和ばら』シリーズを使ったレシピと、ちょっとしたエッセイを書かせて頂くことになりました。



 


ばらの花を料理に使うと聞くと、ご存知の方にはペルシャ帝国から始まるイラン、トルコ、東欧諸国などの異国情緒の雰囲気漂う風景が思い浮かぶかもしれません。料理に花を使おうと考えると、春先の菜の花、和食のあしらいに使われる紫蘇の花や菊など、なかなか日常としてはまれで、少し特別で遠い存在かもしれませんが、よく考えてみると花は、私たちの身近にある野菜や果実にあり ――ブロッコリーは花咲く前の花房で、いちぢくの果実の中には無数の小さな花があるので、実は案外私たちは花を料理しているものです。可憐なばらの花も植物なので、注意深く味わってみるとどこか私たちに馴染みのあるみどりの味がし、そしてもちろんばらにしかない味わいがあります。

 

このような機会を頂いて、大切に育てられたWABARAの優しい味わいをもとに世界に広がる多様な文化圏のレシピを紐解きながら、時にはイランの友人にお気に入りのばらのレシピを聞いて試しているうちに、わたしもサラダにばらの花びらを数枚加えたり、果物にばらの香りを纏わせたりと、ばらを身近な食材として扱う文化圏の皆さんのような感覚で、わたしもわたしの暮らす場所で食材として使えるようになって来ました。

 

國枝啓司さんの情熱と愛の中で生み出される表情豊かな和ばらたち、その和ばらをあらゆる方向から可能性を探究し運んでくださる國枝健一さんと農園のスタッフの皆さん、また『食べる和ばら』シリーズを作られたLUDENSの田淵章仁シェフ、たくさんの人の手で伝えられるその風景と味わいを皆さまへお届けする一助になればと願います。

 

これからWABARAの優しい香りと美味しさをお届けできるようにレシピを綴って行きますので、お気に留めて頂けますと嬉しいです。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

■レシピ監修

中村友香 Tomoka NAKAMURA

京都市内にてPensées(パンセ)という料理会を主宰
料理を通して旅に出るCooking Travelをテーマにしドイツ(ミュンヘン)、スイス(ジュネーヴ)での生活を経て現在、老若ジェンダー民族国籍を越えて集える料理を提案しています

Instagram @penseestomoka

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